ブルキナファソの17歳、四国独立リーグデビュー

富良野の市民団体の支援を受け、プロ野球選手になることを目指してきた西アフリカ・ブルキナファソのサンホ・ラシィナ選手（17）が、所属する四国独立リーグ「高知ファイティングドッグス」の練習生から、公式戦に出場できる登録選手に昇格。プロ選手の第一歩を踏み出した。背番号34のルーキーは「富良野の皆さんの期待に応えたい」と張り切っている。

　2日に地元の高知球場で行われた愛媛マンダリンパイレーツ戦の八回、代打で公式戦初出場し、元ロッテの小林憲幸投手に3球三振に打ち取られた。ほろ苦いプロデビューに「オープン戦と緊張感が違った」。

　野球との出合いは10歳の時。国際協力機構の青年海外協力隊員として赴任した富良野出身の出合（であい）祐太さん（32）に教わった。その後も野球を続け、2013年には中学校を休学し、出合さんらが創設した「ブルキナファソ野球を応援する会」の支援で来日。昨季、高知の練習生になった。2シーズン選手登録されないと退団となるため、球団が最後のチャンスとした8月下旬の昇格テストで合格した。

　175センチ、78キロの内野手。来日時より10キロ増え、打撃ではチーム屈指の飛距離を誇る。グラウンド整備にいち早く飛び出し、先輩から「ラッシー」とかわいがられている。

　当初は日本語ができず、「コーチの話が分からずつらかった」。球団の寮で仲間と寝食を共にするうち話せるようになった。今では地域の小中学校や老人クラブに招かれ、母国の暮らしなどを講演するほどだ。

　応援する会の招きでこれまで8人が来日。うち4人は帰国、3人は富良野で練習している。ラシィナ選手はいわば出世頭だが、高知の月給は10万～15万円でオフシーズンには支給されない。

　大リーグから今季高知に入団した元阪神の藤川球児投手は「異国に飛び込む大変さは私も痛感したが彼はまだ17歳。本当によく頑張っている。吸収力がありどんどんうまくなっている」と話している。
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